仄暗いフィンランドの底から#19「ゴジラ」

フィンランドでは新型コロナウイルスの流行が落ち着いてきた。多くの人が夏季休暇に入り始め、国内旅行をしている人が多いようだ。私は自粛期間が始まった3月中旬からほとんど家を出ない生活を今も続けており、特にブログに記録しておきたいことは何もしてこなかったので更新がしばらく途絶えていた。

久しぶりにちょっと記録しておきたいことがある。それは勉強について思うことだ。

最近、勉強する時に怒りの感情が凄く湧き上がってくる。フィンランド語の難しさに対する怒りと、それが分からない自分に対する怒り、なぜフィンランドでこんなことしてるのかという自分の過去の決断に対する怒りなど、様々な感情が湧き上がってくるのだ。

フィンランドに来ることも、移住先の言語に悩まされることも分かった上で移住を決断したが、いざ苦難に直面すると怒りや愚痴が湧いて出てくるのがいかにも人間ぽい。

フィンランド語は非常に難しい言語だと言われている。インターネットにはこんなミームも存在するくらいだ。

About those KPT-changes
 via:https://www.askafinnishteacher.com/blog/about-those-kpt-changes

スウェーデン語の文法が子猫。デンマーク語の文法が大人の猫。ノルウェー語の文法が虎。アイスランド語の文法がエイリアンでフィンランド語の文法がゴジラとなっている。

そんなゴジラレベルの言語をを難なく使いこなす人が私の身近にいる。

私の妻だ。

もちろんフィンランド人だから楽々と使いこなしているのは当たり前だが、私からするとそれがものすごく羨ましい能力なのだ。

フィンランド人なら歩くようにできることが私にとっては、ほふく前進になってしまう。

倍以上時間がかかるのだ。

妻はこの感覚がイマイチ理解できていないのか、あまり分かってもらえない。

未完全なフィンランド語を駆使して、日本語でも知らないことを学ぶ苦しみを。

私の妻や彼女の家族はよく私に言う「外国人なんだからしょうがないよ。フィンランド語は難しいからね」

うん、でも採用面接官はそんなことは言ってくれないだろう。

フィンランド語を勉強するのはまだ良かった。徐々にレベルが上がっていくので分からない部分が少なかった。

しかし専門的な分野をフィンランド語で学ぶとなると話が別だ。フィンランド語が分からないから専門分野の分からない部分が何なのかも分からない。

日本でならできることが移住先では言語の問題でできない。これはかなりストレスを感じることであるから、怒りたくなるのも自然なのかもしれない。この自分の気持ちを表現できない怒りを移住者はみな感じていることだろう。

フィンランド語の壁が本当に大きすぎてやる気失う。

フィンランド語能力が足りないからよりこのやる気を保つのが日本語や英語で勉強する以上に難しい。

しかし怒っていてもしょうがない。勉強するしかないのだ。

結局たどり着く答えは毎回これ。勉強するしか他に道はない。

問題はいかに自分を鼓舞するのか。これは人によって違うだろう。

自分に合った方法で自分鼓舞してほふく前進で進んでいくしかできることはない。

数年後私はゴジラレベルになれているだろうか?

おわり

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