仄暗いフィンランドの底から#6「寿司はチキンナゲットか?」

 冬になるとなぜかコンビニのホットスナックを食べたくなる。部活帰りによく食べたハムカツ。分厚いハムに、サクサクの衣。無いなら自分で作ってしまえのDIY精神が海外在住者の身に宿ると聞く。中にはラーメンや納豆までも作ってしまう上級者も。私は割と代替品で腹を満たしてしまえば満足してしまうタイプでもあるため、そこまで凝った食べ物を作ったことはない。日本のお菓子を真似たお菓子で満足するレベルだ。

 最初はハムカツも少し面倒で諦め掛けていたが、チラチラとYoutubeで作り方を見てみると「かなり簡単じゃん!」と思って作ってみることにした。

それがこちらである

 おかしい。ちゃんとYoutube通りに作ったつもりであったが、最初に薄力粉をハムに付けずに卵に投下していたので衣が全然つかなかったのだ。翌日やり直した時はしっかりと作ることができた。

 さて、果たして私は他にどんなものをフィンランドで食べているのかと気になる人もいるかもしれない。理想と現実はこんな感じで違う。

 一言で表せば堕落である。ちゃんと補足しておくと一般のフィンランド家庭では素晴らしいフィンランド料理が振舞われている。これは我が家のクリスマス料理である。非常に美味しかった。

 最近は基本的に私は米を食べている。しかし住み始めてから半年ほどは全く米を食べずに、パスタやパンを食べていた時期もあった。今思えば気持ちが悪い。「海外に住むなら現地の飯に慣れないとねー」と変な価値観を持っていたが、いざ炊飯器を購入したら連日チャーハンという超不健康な生活を送っているのである。

 そんな輩がこのまま老後もフィンランドで過ごすことになったらどうなってしまうのだろうか。。。老人ホームの食事は毎朝ライスポリッジにポテトにポテト。。。老後の食事場が心配で仕方がない。

 外食について話をしてみよう。我が語学学校には学食があり、なかなか美味しい料理を提供している。だいたいどこも学食は基本ビュッフェ方式でサラダも取り放題だ。どんな食事があるのかは私のTwitterのスレッドを見てもらえば分かるが、一言でいえば「ポテト」である。

 フィンランドのスーパーではポテトが量り売りされており、しかも種類もいっぱいあって何を選べば良いのかわからないくらいだ。どうやら料理にあったポテトがあるそうだが、そういった知識は毎日チャーハンを作っているような人間が知るはずもない。種類が多いのは肉類も同じである。ハムも沢山種類がある。どのハムを買えば良いのかわからない。

 ポテトやハムに飽きたら寿司屋に行くのも良い一手だ。フィンランドは寿司ブーム。街中にはたくさんの寿司屋が存在し、スーパーにも寿司の量り売りまで存在するお店もある。フィンランド人も寿司を頬張って幸せそうだ。しかしフィンランドの寿司は寿司ではない。Sushiである。甘いソースが基本どのネタにも乗っかっている。

 中華料理も同時にビュッフェで提供しているお店が多く、これでお客さんのお腹を膨らませてたくさん魚を食べられないようにする戦法だろう。他にもイチゴが乗ったSushiを見たことがあるが、私にはそれを食べる勇気がなかった。。。

 ビュッフェは注文が簡単なのも利点だ。ある時バーガーキングで注文した時、店員に「むにゃむにゃむにゃ」と聞かれ、とりあえず「はい」と言ったら一番大きなサイズが出てきたので、安易に「はい」と答えてはいけない。フィンランド語が全くわからない住み始めの時に、店員と会話をしなければいけないようなお店は行ってはいけない。サブウェイなんか最高峰だろう。いつかサブウェイにてオールフィンランド語で注文ができるようになった暁には、また食について書いてみたいと思う。

 最後にデザートについて話しておこう。日本ではフルーツはデザート扱いされているが、こちらではサラダ扱いされている。サラダビュッフェに一緒にメロンとかスイカとかオレンジが置かれているのだ。こちらで言うデザートはアイスやケーキが当たるようだ。我が家でもよくケーキを一緒に妻と作るが、非常にシンプルなものが多い。トゥルクにあるCafe Artのケーキは本当に美味しいのでトゥルクに旅行に来る方は是非訪問してもらいたい。

 長々と食について語ってきたが、是非ともフィンランドへ旅行に来た際には、フィンランド流のSushi屋を味わってみてもらいたい。そしてまるでチキンナゲットをソースにディップするかのようにSushiを醤油にディップする現地人を自分の目で見てもらって、お土産話にしてもらえればなお嬉しい。

おわり

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