今回は『ケミカル・ハーツ』の感想を述べていきます。ネタバレありです。
.作品紹介
傷つき、前に進んでいく話
.監督
リチャード・タンネ
.役者
オースティン・エイブラムズ
リリ・ラインハート
.学んだこと
傷は再生の象徴であること
.ネタバレあり感想
誰もが傷ついた経験があるはず。だからこそこの映画は凄く響くのだろう。
主人公は文章を書くのを愛しているのだけども、書きたいことがなかった少年。
映画を観ていくと分かるけども、しっかりと書きたいことはあったんだよね。気が付いていなかっただけで。
彼自身も知り合いが自殺しているという経験をしており、金継ぎを通して彼自身の心を癒そうとしているように、彼は「傷」に対して思う部分がずっとあったんだと思う。
だからこそ、傷ついた彼女が表れた時に、治したい、助けたいって思ったのかもしれない。
でも結局傷ついた心を救えるのは本人だけであって、手助けすることしかできないんだよね。
主人公は結果色々と成長することになるんだけども、ちょっと子供だなと思ったのは、元カレに対しての嫉妬というか、彼女が傷を癒すのを見守ることが出来なかったことかもしれない。
「なんでこんなキスするの?僕を愛しているようなキスを」って質問に対する「こんなキスしか知らないの」はメチャクチャ痺れた。
誰かを愛するってことは、見返りを求めるものではなく、与え続けるものだと思っていて、彼は愛されることを求めてしまった。彼女は彼がそばにいることを求めていたんだろうし、元カレを超える存在にはどっちにしろなれなかったかもしれない。
10代でそんな包容力のある男の子なんかいないんだろうけども。
みんな失恋を経験して成長するんよね。
傷は再生の象徴。
彼は自分で壊した花瓶を、綺麗に再生させた。自分自身の傷も、こうやって再生させ、以前とは違った彼になっていくのだろう。