今回は『かもめ食堂』の感想を述べていきます。中盤以降ネタバレありです。
Contents
.予告
.作品紹介
フィンランドの食堂のお話
.学んだこと
誰かに作ってもらうご飯は美味しいこと
.ネタバレあり感想
シナモンロール作りてーーーーーーーー
この映画、大したストーリーはない。
だから退屈に感じる人がいるのも分かる。
でも人生って大体は退屈じゃん?
他の映画は人生のピークを切り取っていると思えば、この映画は平凡な時期を切り取っている感じ。
人と出会い、ご飯を食べる。
ご飯は必ず食べるもの。
元気な時も、弱っている時も人は必ずご飯を食べる。
映画の冒頭で主人公は太った猫に餌をあげるのが好きだったと言っている。
ご飯を誰かのために作って、元気付けてあげるのが好きなんだろうね。
カフェで出会った日本人を家に泊めてあげて、ご飯までご馳走しているし、初めての客にはコーヒーをずーっとサービスして、なんなら出来立てのシナモンロールもあげちゃう人。
あんなにフィンランド語を理解できるってことはまあまあ長いことフィンランドに住んでいたんだと思う。
過去に何があったのかは分からないけども、ふらっと立ち寄れる食堂を作りたいと。
きっと本人がそんな存在を求めていたのかもしれないな。
ファーストフードでもなく、敷居の高いレストランでもなく、程よい距離感を感じれる食堂を。
やりたくないことはやらないだけって言っていることから、何か過去にあったんだろうなってのは思えてくる。
これは他の登場人物全てに言えることだと思った。
みんな何かしら問題を抱えているもので、最初に来た日本好きの男の子だって、毎回一人で来るところから色々と深読みしちゃう。
人はご飯を必ず食べるように、必ず悩みや問題を何かしら抱えているもの。
出会いが増えるにつれてかもめ食堂に現れるご飯のバリエーションが増えていくのも良かった。
「コーヒーは自分でいれるより人にいれってもらう方がうまいんだ」
「おにぎりは自分でつくるより人につくってもらった方がずっとうまいんだ」
誰かに作ってもらうご飯は美味しい。
それが自分の知っている人ならより美味しいし、一緒に作ればもっと美味しい。
ご飯から栄養を摂取するだけなら、点滴でも打っとけば良いんだ。
でも私たち人間はご飯から栄養以外の色々なものを得る。
それは友情だったり、愛だったり、思い出だったりする。
心が弱った時にこそ、誰かと一緒に美味しいご飯を食べるべきなんだ。
だってご飯は必ず食べるものだから。