『ラストナイト・イン・ソーホー』 点数 8/10

今回は『ラストナイト・イン・ソーホー』のネタバレあり感想を述べていきます。

.作品紹介

寮のパートナーが嫌で一人暮らしを始めたらとんでもない訳あり物件だった話

.この曲とご一緒にお読みください

.学んだこと

物件は夜中の状況も確認してから借りろ!

.ネタバレあり感想

ファッションデザイナーになることを夢見る主人公による、オープニングの音楽に合わせたダンスが超素敵。

田舎育ちで素朴そうな子がロンドンという大都会に出てきて、きらびやかな世界も見つつ、いきなりタクシー運転手によるセクハラの洗礼を受けるのとか最悪すぎる。

しかも寮のルームメイトはクソ野郎で、寮ではパーティーが開催され、なんだか彼女には合わない環境。

じゃあ一人暮らしすればいいやん!ってなって見学にいく家なんだが、地面に落ちた住居人募集のやつなんか怪しいに決まってるやん!おばあちゃん怪しいやん!

正直に言うとこのおばあちゃん普通に思いやりのある良い人に思いましたすみません。

この映画、男性って怖い…って思えてしまうシーンが多く、男性の持つ性欲の怖さ、そして大都会、人が集まる空間の持つ闇といったものを感じた。タクシー運転手の目だけがバックミラーに映るのとか結構怖い。でもああやって後部座席に座っている時に運転手と目が合うことってあって、あの気まずさと言うのか、目だけが映っているからこそ感じる、見られている感ってのは凄く強く、そこにセクハラという要素を合わせているのでさらに気持ち悪さが増していて凄いってなった。

主人公は引っ越した後に早速「殺される」ことになる女の子の「夢」を見ることになるんだけども、実際これは単なる夢ではないというのも面白い。

良くも悪くも彼女に多大な影響を与えることになるこの能力なんだが、良い面はお母さんが見えることだろうか。別に精神的な異常で見えているのではなく、本当にそこにお母さんの幽霊がいるって思えてくるのは素晴らしい。

本作に登場する男性陣は、だいたいが女性を性の対象として見ておらず、だからこそクラスメイトの男性のやさしさがものすごく身に染みる。だけど、あまりにも登場する男性陣が酷い奴らばかりなので、「もしかしたらこの人もただただセックスしたいだけでは…」って思わせられてしまうのも上手い。

騙される展開になっているのもこの映画の好きになった点の一つである。

てっきり謎の老人男性が60年代に女の子を殺した男かと思ったら、なんとその女の子は殺されておらず、男どもをあの部屋で殺し、床下に隠していたのだ!

なんという事故物件。てっきり一人だけ殺されたのかと思ったらとんでもない数の人間があの部屋で殺されていたという、呪怨以上ではないかと思う呪われた部屋だったのである。

その部屋も不気味で、隣にあるフランス料理屋のネオンが超ウザくて良い雰囲気を醸し出している。青になったり白になったり赤になったり..あんな状況じゃ寝れないわ!w

遮光カーテンをなぜ買おうとしないのか理解に苦しんだw

オーナーの正体が分かった瞬間は、60年代女の子の部屋に置いてあった人形がそのオーナーの部屋にもあることが映った一瞬のシーン。

物凄い違和感が私に襲ってきて、え??え??もしかして??となってゾゾっとした。

そこから、なぜ彼女が20時以降に男性を連れ込んではいけないルールを作ったり、彼女がクラスメイト男子といる時に叫んだ時には駆け付けてくれて、朝に話をしようと優しく?接してくれたのには、自分の過去があったからこそなのかもしれない。

鏡を使った演出は今まで見たことがないもので面白かった。昔のパーティー会場?の階段を上るときに映る沢山のエロイーズとか良かったし、その会場にある電話ボックスでのキスシーンで映る二人とかもなんだか不思議な映像。

鏡越しにエロイーズがサンディーに抱きつくのとかもシンプルに良い。

思っていた以上にホラー要素が強かったのが良い意味で驚けたので、総合的にかなり楽しめる映画であった。

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