今回は『僕らの先にある道』の感想を述べていきます。ネタバレありです。
Contents
.作品紹介
元恋人と過去を振り返る話
.学んだこと
金が無いと余裕も無くなること
.ネタバレあり感想
エモい!
分かれた二人は偶然飛行機の中で出会う。彼らは過去を振り返り、運命を実感する。
見ていてなんだか私にも存在しない記憶が頭の中に浮かんできて、なんだかすごく心揺さぶられる映画だった。
2人は貧乏な暮らしをしていたんだけども、男の方はその暮らしが彼女にとっては満足できないものだと思っていて、彼女の理想の男になれないことがすごくコンプレックスになっていたんだよね。
地元に帰った時にも、すごく見栄を張ろうとするんだけども友人にバレバレで、そんな無理をする自分のことも嫌いになっちゃってたんだよね。だんだんと自分の求める理想と現実が乖離しすぎていって、プチんと切れちゃうんだよね。
だけど彼女が求めていたのは、一緒にいて今ある現実をありのままの姿で楽しめる彼であって、かつて彼女が求めていたような男性像を主人公の男性から求めていたわけではないということなんだよね。
だけど男性の方はそのことにしっかりと気が付けなくて、すれ違って行っちゃうんだよね。
その彼女はお母さんともちょっと疎遠で、お母さんは海外に住んでるんだよね。お父さんはすでに亡くなっていて、彼女としてはその主人公の男性の家族団らんな感じにすごく憧れていたんだと思う。
そのお父さんも、まあ貧乏だけどもしっかりとお店を切り盛りして、この場所自体を愛してた。
そこにちゃんとプライドもあったわけなんだけども、主人公の男の子はそれをも否定して、自分がいいと思っていることを相手に押し付けちゃうんだよね。
相手から話を聞こうともせずに、どんどんどんどん我が道を進んでいってしまう。
あるあるの話なんだけども、まあ愛情の空回りって言えばいいのかな。
貧乏アパート追い出された2人が引っ越したのはこれまたなんか半地下の家で、パラサイトをちょっと思い出させられるんだけども、この場所で主人公の彼女は地面に咲いている小さい花を見つけるんだよね。
この小さい花を私たちも美しいと思うんだよ。
だけど主人公の男性の方は、その現実にあるちょっとした美しいことも見えなくなっちゃっていて、なんかゲームばっかりに没頭して、創作活動というか、北京に出てきた理由さえも投げ出してしまっていたんだよね。
多分彼女としても、そういった彼が、というかそういった彼を好きになったわけではないと思うんだよね。
夢追い人に恋をしていたというわけでもないのかもしれないけども、あんなにも無気力で落ちぶれていってしまうと、ちょっと一緒にいたいとは思えないよね。
今までちょっと男性の方ばかりを悪く書いてきていたけども、じゃあ女性の方はどうなのかと。
彼女も彼女でもうちょっと今思っていることをしっかりと伝えるべきだったかもしれないね。
しっかりと思いを具体的に伝えてあげてないんだよね。
そして急にどこか行っちゃうし。
まあでもすれ違って行くっていうのはああいうことなのかもしれないね。
だから思いとか、思っていること、感じたことっていうのをちゃんと言葉にして伝えるっていうのは本当に大事なことなのかもしれないね。
言わなくても分かるでしょ?うん、分かるかも知れないけど言った方がやっぱり良いよ。
彼女は彼女の方でお金持ちばっかりと付き合ってきたわけだから、そりゃ彼氏の方もやっぱりお金が彼女の幸せなんだろうとか思っちゃうかもしれないよね。
車の中で彼女が言ったように、主人公の男性と付き合い始めてからはどうでも良くなったってちゃんと伝えてたねそういえば。
だけど男の方はその言葉を信じなかったんだよね。
たぶんあそこが 2人の運命の分岐点だったのかもしれないな。
映画を見る前はもうちょっと北京の近代的な描写とかを見たいと思っていたけども、舞台が2008年と、ちょっと古い時期のことだから、最新のハイテクな生活とかは見れなかったのが求めてたのとは違った。
でも、中国の見栄を張る文化とか子供に対する親の影響力だとか、例えば結婚のことを反対されたりとかね、家族の繋がりとか、お金持ってる人と結婚しないとか、ああいう価値観を、本当かどうか分からないけどちょっと感じれたのは面白かった。
金持ちの人と結婚したいっていう話で思い出したのが、学生の頃にバイトしてたお店の中国人留学生を思い出した。彼女もしっかりと安定して稼いでる人と結婚したいと言っていた。
最後のエンドクレジットは本当に泣かせにきてるね。
親とかと離れて暮らしている人にはあれはもうグサッとくる流れだよ。
手紙ってのもずるい。
父親と遠く離れ、一緒に過ごす時間も減り、想いもしっかりと伝えられずに死んでしまったってなるとやっぱり後悔するだろう。
なんかあまりにも泣かせにきてるから、絶対に泣きたくないみたいな、泣いたら負けだみたいなことを思ったけども、やっぱりそのいざ自分の状況に置き換えてみると、やっぱりフィンランドと日本の距離をすごく感じて、いろいろと考えてしまい、涙がいっぱいでちゃった。