今回は『セイント・モード/狂信』の感想を述べていきます。ネタバレありです。
Contents
.予告
.作品紹介
盲信するお話
.学んだこと
綺麗な街だということ
.ネタバレあり感想
怖い系かな?と思って見に行ったけど、ジャンプスケア系でした。
舞台はイギリス。坂と海岸がある街スカーブラでターミナルケアをしている看護師が主人公です。
ターミナルケアとは、余命が少ない人を支える仕事です。
つまり死を迎える人を送り出す仕事です。
そこでモードは宗教的に彼女を救おうとしています。
元々は病院で働いていた彼女ですが、悲惨な事故を経験し宗教に目覚めたようです。
後に会うジョイに「あなたのせいじゃないわ」と言われていたので医療事故なのでしょうかね。
男性とセックスしている時に見た映像から、圧迫していた時のミス?とも思いましたが、流石にあんなに力は出ないと思うのでまた違った事故なのではないでしょうか。
何かしら過失はあったのかもしれないですね。
友達のジョイの反応を見る感じだと、元から信心深いわけじゃ無いことが伝わってきます。
特に彼女が家を訪れた時の反応がそう思うきっかけになりました。
ただし、モードは別に教会を訪れるわけでもなく、ただただ我流の宗教を信じています。
教会の人に相談したりするわけでもないのです。
孤独なんですよね。
ずーっと一人で頼れる人がいないんです。
唯一頼れそうなジョイと近づきそうになった時にはもう既に時遅しでした。
肉体的に痛めながら、みだらな行為をしてまでも神の啓示を欲しがる姿は見ていて辛かったです。
神を感じるって言っているのも神経症ではないのかな?と思ってしまいました。
幻聴を聞くなんてまさにそうですよね。
お腹に掻き傷があるところからも精神的にまいっていることが伝わってきます。
トマトスープがブクブク煮たっているのが血を連想させられました。
そんなオープニングから始まってじわじわ怖くなっていく映画。
最終的におばあさんを助けにいく、宗教的に救ってあげようとする思いは素直に受け止めたいですが、うまく行かないですね…
聖水を額に当てるとジュワーってなっていて、悪魔!!って思っちゃうんですよね。
ケイティーにはそう見えたわけです。
結局殺してしまう…
この一連の流れが凄く怖かったです。
特に突然悪魔になる部分が怖かったです。
いきなり来たので。
ここまではスローなテンポだったから急すぎるんですよね。
そして最後の焼身自殺も怖い。
燃えるのを選んだのも、もらった本の燃えているイメージからきているんでしょうね。
最後にほんの一瞬だけ叫び声が聞こえてくるのも凄く怖かったです。
リアルではこんなんなんですよって伝えてくるのが残酷ですよね。
他の人から見たら、現実は燃えて苦しんでいる。でも本人はあの世に行けるという思いで幸せだったのかもしれないですね。
このシーン、後ろに座っている観客が叫んだですけど、それも怖かったです笑
久しぶりにホラー映画で叫ぶ人を見た気がします。
こうゆう経験があるのが映画館で見る醍醐味ですよね。
主人公を演じたMorfydd Clarkさんの声が素敵でした。
インタビューも見ましたがやっぱりブリティッシュアクセントいいな。
彼女の演技は信心深さと狂気、孤独といったものがしっかりと伝わってきました。
個人的に思う映画が伝えたかったことは、宗教の怖さ、何かを盲信することの恐怖、でも信じることで救われること、そして死に対する考え方の違いでは幸せに死ねるってことですかね。
ちょうどターミナルケアのことを勉強していたので、色々と考えてしまいました。