仄暗いフィンランドの底から#16「オンライン授業」

 学校が閉鎖されて31日がたった。オンラインで授業を受けるというのは高校時代ぶりである。受験勉強のため私は東進ハイスクールのオンライン授業を受けていたのだ。しかしあれは録画された授業を聞くだけであったが、現在のフィンランドで受けている授業はLiveである。今回はフィンランドでのオンライン授業はどんな感じなのかを書いていこうと思う。もちろん色々な状況があるので、全てが私と同じ状況とは限らない。一例として読んでもらいたい。

 さて、1ヶ月も経つと流石にオンライン授業にも慣れてきた。授業を受けながら朝食を作ったり、Twitterをいじったりと怠けてきている部分も多々ある。あまり発言を求められる機会はないが、たまに話を聞いていない時に先生から質問をされた時に私が使う常套句が「すみません、電波の調子が悪いようで質問が聞こえませんでした」である。これでだいたいなんとかなる。

 授業は先生がパワーポイントを朗読するばかりで「効率」といった概念を感じられない。あらかじめ資料は配布されているので、生徒が予習した上で不明確なことやよくある間違いだけを先生が解説した方が良い気もするが、きっと資格というものを取得するには「〇〇時間受講した」といったような何かルールがあるのだろう。

 クラスメイトは子持ちの人が多いため、彼らがマイクをオンにすると、子供の声が聞こえてきたり、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきたりする。それは全然構わないのだが、毎回ハウリングをかましてくるクラスメイトは本当にどうにかしてもらいたい。

 学校では様々なオンラインツールを活用している。フィンランドではどうやら有名な「Wilma」という連絡ツールと、教材は学校専用のポータルサイトで公開されており、オンライン授業はMicrosoftのTeamを利用して行われている。こう聞くと便利に聞こえるかもしれないが、実はものすごく面倒なことになっている。今までは「フィンランド語」の勉強という、日本で言う「国語」の授業だけを受けてきていたわけなので先生は1人であったが、現在は色々な授業を受けているので先生も複数人いる。複数人いるということは連絡手段も様々で、メールで連絡をしてくる人もいれば、Teamに連絡を入れる人、そしてWilmaに連絡を入れてくる人もいる。オンライン授業での連絡手段が統一されていないのだ。インフラがすでにあるのは素晴らしいことであるが、それを使いこなす人間の作業マニュアルがしっかりとしていないところが残念である。そのため朝起きたら必ず全ての連絡ツールを確認しなければいけない。宿題の提出方法も様々なため、細かく手帳にメモをしなければいけない。ハイテクのようで結局ローテクに頼る始末である。

 早いところオンライン授業が終了して欲しい。知識も大事であるが、福祉の道は実地経験も同様に大事なことであろう。しかしこのコロナウイルスの状況がひと段落するまでは、老人ホームにもインターンに行くことはできないだろう。果たして予定通り私は卒業できるのだろうか?

1週間前との状況比較

2769人の感染者がいたが、現在(4月17日)は3489人。死者数は48人から82人になった。首都ヘルシンキのあるUusimaaの閉鎖が解かれた。今後どうなっていくのか。。。

おわり

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