『佐々木、イン、マイマイン』 点数 9/10

今回は『佐々木、イン、マイマイン』のネタバレあり感想を述べていきます。

.作品紹介

高校時代の友人に再会する話

.学んだこと

誰にも人に見せない一面があること

.ネタバレあり感想

佐々木君、かなり辛そうなのは目に見えてわかっていたんだけども、だけどもそれを見せないように無理して他人を楽しませようとするあたりがなんか既視感が凄いある。

ああゆう人いる。いた。クラスメイトにいた。いつもはバカ騒ぎしているテンションの高い人が見せる暗い側面ってみんな見たことあると思う。でもそんな表情を見た時にどう対応して良いのか分からない。

主人公はそれが分からなかった、もしくは分かっていても何も言葉をかけてやれなかった。それが演技のシーンでも表れているのが絶妙。言葉に、思いに詰まってしまう。でもあのセリフを本当は佐々木にかけてやりたかったからこそ、最後のシーンで彼はかつて自転車で走った道で叫んだのだろう。

それから赤ちゃんが泣くシーンは私も貰い泣きしてしまった。

生と死を感じるし、泣くことに対しての泣きという共感にたいして共感せざる負えない。

「ごめんね」って言葉は明らかに佐々木に言葉をかけてやれなかったことだろうし、何も気づいてあげられなかったことに対しての思いだったのかもしれない。

この映画、セリフでは説明しないけども、画面に映すことで色々なことを説明しているシーンが多く感じた。私はそうゆう映画が好き。

全然ホームランを打てなかった佐々木が、実は街一番のヒッターになっているのをふと見せたり、クラスメイトと結婚した登場人物の高校生時代のシーンでの消しゴムの貸し借りを無言でするシーン、あれは完全にもう二人は付き合っていることが分かる描写だったのがグッとくる。布団の隙間から表現する二人の関係性。たばこを吸うことで気が付いた暗闇の中のプレゼントとかもエモい。佐々木の家の中の絵の多さから、彼はただただパチンコだけしていたわけではないことも伝わってくる。

物語が急展開したのはやっぱり謎の女性からの謎の電話。

しかも内容は「佐々木くんが待ってるんです」という謎な発言。

あれで一気にこの作品に引き込まれた。

それから料理描写もなかなかに面白い。主人公の両親が不在なのは気になるが、おばあちゃんはものすごくしっかりと料理を準備してくれるし、洗濯に皿洗いまで様々なことをしてくれている。一方で佐々木はカップ麺生活ばかりで家はかなりの汚さ。主人公はそういったことを自分のためにしてくれる人がいることに感謝したからか、自発的に皿洗いをしたのかも。

最後のシーン。実際は死んでいるけども、主人公はああやって彼の喪に服してあげたいと思ったのかもしれない。父親が死んだあとに登校した佐々木は、無理して佐々木コールをしろと頼んできた。佐々木としては友達には普段通りに接してもらいたかったからこその行動だったのかもしれない。高校と言う日常に戻ることで彼は気持ちを紛らわしたかったのかもしれない。そうゆうことあるよね。辛いことあっても、普段と同じことをしている間は忘れられることって。だけど主人公はコールをしなかった。そしてそのことを車の中で話し出したことから、何か思う部分があったのだろう。だからこそ今回は佐々木コールをしてあげたのだろう。インマイマインで。

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