仄暗いフィンランドの底から#9「真面目が損をするテスト環境」

 受験シーズン。思い返せば私も人生で様々なテストを受けてきたものだ。中高の定期テストからセンター試験に大学入試。数々なテストを乗り越えてきた人生であったが、私はテストでペンを忘れたこともカンニングをしたことも一度もない。しかしこの国フィンランドに住む移民の中にはペンを忘れてくる輩も多いし、カンニングをする輩も多い(もちろん日本にもいるけど)。今回はフィンランドで経験したテストについて語ってみたいと思う。

 まずこちらに移住して初めて受けたテストはフィンランド語学校に通うためのレベル分けテストであった。テストでは、数学やら論理的思考能力を把握する図形テストに加え、言語理解能力を測るために架空のクリンゴン語を解読させる問題があり面白かった。今までで受けたことのない形のテストであった。

 今思えばこのテスト問題を写真に撮っても良かったのかと思うが、かなり緩いテストだったので問題はないだろう。試験場には小さい子を連れた人もおり、試験監督がその小さい子と遊んであげるというかなり自由な環境の中で行われた。そしてテスト問題も、受験者によって違うものが用意されているようだった。

 晴れて大晦日から通い始めた語学学校は多国籍で、母国語が同じ者同士がそこそこいた。定期テスト中には彼らが小声で協力しあっている場面もあった。テストは基本的に解き終われば家に帰って良い仕組みだったため、帰宅時に生徒の様々なカンニング方法を目視することができる。スマホをしまうようにと言われていたがお尻の下に隠しながらスマホで検索する輩や、地面に置かれたカバンのチャックが丁寧に大きく開かれ、綺麗に開かれた教科書が顔を覗かせていたりとなんでもありである。

 お金を払って受ける資格系のテストは基本的にカンニングに対して厳しく感じたが、それでも日本のように試験監督が徘徊したりすることはなかった。前に座っているだけである。後ろの方に座れば容易くカンニングができただろう。

 つい最近、移民向けの専門学校の入試テストを受けた。まず驚いたことが、テストと言われているのにペンを忘れる輩が5人もいたことである。全員で22人くらいの受験者がいた。音に関しても不満があった。基本的には私語はなく静かであったが、スマホの電源を切ったり、マナーモードにしていないため静かな教室にバイブレーションや着信音が響き渡ったのだ。試験監督はそれに対して何も言わないのである(ふざけるな!)。日本の高校の定期試験中に誰かのスマホが鳴った時には、全員のスマホが没収されたぞ!!対応の差に驚きを隠せなかった。この差はなんなんだろうか。フィンランドの高校や大学も同様にこんな感じに緩いのだろうか?「止め」と言われてもなお、埋めていなかったマークシートの部分を必死に埋めたりと、なんだか不公平感を感じることが多々あるのが私が受けてきたフィンランドでのテストだ。

 でも面白いこともあった。スマホを机の上にもポッケにも入れてはいけないと言われたので、私は後ろの離れた壁においてあるカバンの中にスマホを入れておいたが、斜め前の席の人は地面にそのままiPhoneを置いていたのである。斬新すぎて笑えてきて色々なことが許せてしまった。多様性万歳(棒読み)

おわり

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