フィンランド映画の予告を見ていたら登場人物の口から
「kaikki muumit laaksossa」
という表現を聞くではないか。
直訳すると「ムーミンたちみんながムーミン谷にいる」という意味になるのだが、調べてみると、どうやらこれはメンタルに関する表現で、全員いれば良好ってことのようだ。
いなければ問題ありって意味で使うみたい。
ムーミンがまさかこんな形で使われていることに驚いた私は、フィンランドにおけるムーミンの浸透度合いについて思い耽ってしまった。
するとふと気がついてしまったのだ…
フィンランドに住んでいるとムーミンを見ない日はないことに…
やつらは本当にどこにでも潜んでいる。
あまりにも日常に溶け込みすぎているので、存在を忘れてしまう程だ。
マグカップにハサミ、タオルにお菓子、はたまたバスの広告とどこにでもコラボしている。
とりあえず呟いているものだけを持ってきたが、それでもこんなに生活に紛れ込んでいるムーミンたち…
フィンランドに来る際には是非とも「ムーミンを見たらサルミアッキを一粒食べるゲーム」をしてもらいたい。
もしくは隠れムーミン探し(全然隠れてない)をやってみるのも良いかもしれない。
もしフィンランドからムーミンデザインが消えたらどうなってしまうのだろうか?
違和感を感じるのだろうか?
人々は正気を保てるのだろうか?
そう思って以来、私は彼らの存在に意識を向けるようになった。
目が合うと感じる、彼らも私たちを見ていることに…
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。-ニーチェ
おわり